Maria Rosa Franzin

Maria Rosaさんが住むパドヴァという街はイタリアのコンテンポラリージュエリーを語る上で外せない重要な場所。というのも Istituto Pietro Selvatico, Padova という、彼女自身が現在も教鞭をとっている学校があるからで、1950、60年代には、この学校の作家達の運動が国際的な注目を集めました。Mario Pinton氏が実験的なジュエリーでこの運動を牽引し、Francesco Pavan氏やGiampaolo Babetto氏の制作活動によってパドヴァの作家達はさらに世界に知られるところとなったのです。

この学校で Maria Rosaさんは Mario Pinton氏に師事し、コンテンポラリージュエリーの世界へ深く入っていきます。パドバの作家のひとつの特徴ともいえる「幾何学の原則」を学び、自分なりにそれを深め、価値を素材でなく造形に求めるようになります。
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Brooch 「 SEVEN IN TOKYO 2012」素材: Gold750, Silver800, acrilic paint, glue, dust wood

しかしなんといっても、彼女の作品の最大の特徴は絵画的な切り口。極めてシンプルで、シルバーを好み、決してギラギラさせないよう磨いたり、打ち延ばしたり、「黒金(ニエロ)」(銅、銀、鉛、硫黄を一緒に溶かしたもの)でのコーティング、注意深くひらひらと落とす純金の箔、 表面につける印や線、小さな点など、様々な類の表面処理を施すことで生まれる雰囲気や配色、全てが作家の絵画的感受性を際立たせています。これは Maria Rosaさんの美術への第一歩が絵画から始まったことに由来します。
特筆すべきことはもうひとつあって、それは文化人や芸術家を作品と関連させる作品をつくること。時に何かを明示するためであり、見る人を作品の内側に誘い入れるためであり、またそこから発生する会話を楽しむためでもあります。

下のブローチは、ジョセフ・コーネル(彫刻家、1903-1972、USA) にまつわる作品。函状の入れ物の内側に配置されたサンゴの赤が冴えます。函の中に物語が見えてくるような作品。
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Brooch 「 Tribute to J. CORNELL 2012」  素材: Gold999, Gold750, Silver800, Coral, Felt

下の写真のネックレス「 Hartung 」は、 Hans Hartung(ハンス アルトゥング、ドイツ/フランスの画家 1904-1989)抽象画家の絵から触発されて作った作品。
柔らかく、軽量で、身に着けると糸状のスティールワイヤーが首周りにまとわりつくように構成されています。小さなエメラルドが慎重にワイヤーに挿入されており、細いワイヤーはしなやかで、さちりばめられた緑色もささやくように揺れます。
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Necklace 「 HARTUNG」  素材: Gold999, Gold750, Steel, Emerald

決して消えることのない表現への情熱と、技術と手法の研究と実践が、彼女のジュエリーを精巧になものとしています。

2012年12月13日〜16日の酉福ギャラリーの「コンテンポラリージュエリー展」にて作品を展示します。作家も来日し、初日は在廊予定です。

Maria Rosa Franzin
Tripoli(Lybia)生まれ。Padova(Italy)在住。Pietro Selvatico Institute of Art(Padova/Italy)にてMario Pintonに師事。Goldsmithの技術を学ぶ。1986年より同校にて「Goldsmith Plannning and design」について教鞭をとる。Academy of Fine Arts(Venice)で学んだ絵画もジュエリー制作に活かし、ヨーロッパを中心に各地のアートフェア、ギャラリーや美術館にて作品を発表している。
収蔵:
Museum of Decorative and Applied Arts (Padova/Italy)
Museo degli Argenti, Palazzo Pitti (Florence/Italy)
Fondazione Cominelli (S.Felice /B, Salò/Italy)
MAD Museum of Art and Design (New York/USA)
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by bijou-m | 2012-11-09 09:58 | 2012Jewellery展

   


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